つくる責任~製造メーカーの現状

現代社会において、パソコンなどの端末がなければ情報のやり取りがスムーズに行えず、情報格差に繋がる可能性があります。「つくる責任」として、パソコンメーカー(以下「メーカー」)は「メーカー保証、ケアパック等の保守契約」のサービスを提供し、不具合や障害が発生したパソコンに対し保守を行っています。ただし、一部の企業は経済的理由など各種事情により保守契約を結ばず、使えなくなったパソコンはデッドストックとして棚や倉庫で保管、または破棄されます。その後、パソコンを新規購入するという使い捨てのような「サイクル」になっています。

メーカー側は、保証・保守期間が過ぎたパソコンに対し有償として対応しています。その有償費用は新品購入時の価格相当か、より高い費用で見積もりを提案するメーカーもあり「ならば新しく購入した方が良い」と考えるユーザーが多く見受けられます。

メーカーとしては利益確保も含んだ軽量化を進めコストダウンに繋げるようしていますが、軽量化によりパソコン(パーツ)自体の強度も同じように下がるパソコンも存在します。その結果、持ち運びにメリットとなる一方で、ちょっとしたねじれ(カバン内で発生)や衝撃で、容易に破損してしまう”繊細な”パソコンも見られるようになりました。

他方、通常使用で壊れるパソコンは保証適用されますが、そもそも「通常使用」とはユーザー側でなく、あくまでもメーカー側が判断する使用状況を指します。多くの場合、ユーザー側に過失が有る場合は有償となり、通常使用である場合は無償で対応されます。これまで、そのような”繊細な”パソコンはほとんど見られなかったため、仮にユーザー側が「通常使用」と申告しても、メーカー側が有償扱いと判断すれば「新品相当の費用」が発生することがあるためデッドストックになり得ます。

つかう責任~ユーザーの現状

情報システムやICTなどパソコンを管理する担当者は「この機種のこのパーツは”繊細”である」と認識し、ユーザーにアナウンスすることでより障害を回避・解決する一方、昔の壊れにくい”頑丈な”パソコンと同様な扱い方をするユーザーも存在します。その結果”繊細な”パソコンを扱うと容易に壊れてしまうケースが散見されるようになりました。

情報システム担当者は社内の障害現象が他社でも同様にが発生しているのかどうか迷い、社内ユーザーに対してアナウンスするべきか迷うケースがあります。なお、メーカー側はそのような障害(バッテリなどが絡む大きな事故に発展するようなケースを除き)を公式アナウンスすることは少ないのが現状です。

ただし、メーカーやベンダー(販売店)、エンジニアには各種障害情報が集まり、機種特有の障害なのかがある程度推測が可能になります。担当者やユーザーがベンダーやエンジニアから直接情報を得ることができれば、どのデバイス(パーツ)が壊れやすいのか認識でき、”繊細”なパソコンをどのように扱えば障害発生を抑えることができるのか、今後発生しうる問題を検討することができます。

D&Rでは、有償対応でメーカーからの見積もりを見たとき「新品を購入した方が良い」と思われるユーザーに対し、リーズナブルな費用でパソコンを再活用できるよう、デッドストックを「グッドサイクル」するような社会を目指してサービスを行います。